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専門家が語るミント栽培とゴキブリ対策の落とし穴
本日は害虫駆除の専門家である鈴木さんにお話を伺います。最近、ミント栽培でゴキブリ対策をする方が増えていますが、専門家の視点から見ていかがでしょうか。「ええ、ミントの香りがゴキブリに対して一定の忌避効果を持つことは研究でも示されています。しかし、一般のご家庭でその効果を過信するのは非常に危険だと考えています。多くの方が陥る落とし穴がいくつかあるのです。まず、香りの強さと範囲の問題です。ゴキブリを怯ませるほどの強い香りを家中に充満させるには、相当な量のミントが必要になります。小さな鉢植え一つでは、そのすぐそばを避ける程度の効果しか期待できません。むしろ、栽培環境そのものがリスクになります。ゴキブリは暗く、暖かく、湿った場所を好みます。ミントの鉢植えは、まさにこの条件を満たしやすいのです。特にベランダやキッチンの隅に置かれた鉢は、彼らにとって格好のシェルター兼給水所となり得ます。水やりで湿った土、鉢と受け皿の隙間、生い茂った葉の影、すべてがゴキブリにとって快適な空間なのです。実際に、ミントを育て始めてからゴキブリを見かけるようになったというご相談は後を絶ちません。ミントの葉自体を食べるわけではありませんが、その周辺環境に引き寄せられてしまうのです。もしミントを栽培するのであれば、徹底した管理が不可欠です。土は常に乾燥気味に保ち、受け皿の水はこまめに捨てる。風通しを良くするために定期的に剪定し、鉢の周りを清潔に保つこと。これらの管理ができないのであれば、ミント栽培はゴキブリ対策としては逆効果になる危険性が高いと言わざるを得ません。ミントの香りを活用したいのであれば、栽培するよりも乾燥させた葉をポプリにしたり、精油であるハッカ油を水で薄めてスプレーしたりする方が、リスク管理の面でははるかに安全で効果的でしょう。」鈴木さん、ありがとうございました。