キイロスズメバチの巣ができてしまうと、駆除には危険とコストが伴います。最も望ましいのは、そもそも巣を作らせないことです。日頃の心がけと少しの工夫で、キイロスズメバチが巣を作りにくい環境を維持するための予防策を5つご紹介します。第一に、巣を作られやすい場所の点検と整備です。キイロスズメバチは、雨風をしのげる閉鎖的な空間を好みます。家の軒下、屋根裏、換気口、ベランダの隅、物置の中、使われていないエアコンの室外機周りなどは、特に注意が必要です。春先から初夏にかけて、これらの場所を定期的に点検し、巣が作られ始めていないか確認しましょう。特に、女王蜂が一匹で巣作りを始める初期の巣(とっくりを逆さにしたような形)を見つけることができれば、比較的安全に対処できる可能性が高まります(ただし、それでも専門家への相談が推奨されます)。第二に、建物の隙間を塞ぐことです。壁のひび割れ、換気口の網の破損、通気口の隙間など、蜂が侵入できるような小さな隙間も見逃さずに修理しましょう。パテやコーキング剤、目の細かい金網などを使って、物理的に侵入経路を遮断します。第三に、庭木の手入れです。庭木の枝葉が茂りすぎていると、蜂にとって格好の隠れ家となり、巣を作る場所を提供してしまいます。定期的に剪定を行い、風通しを良くしておきましょう。生垣なども内部が見えにくいため、注意が必要です。第四に、誘引源を減らすことです。スズメバチは甘い匂いに引き寄せられることがあります。庭でのバーベキューや飲食の際は、ジュースの空き缶や食べ残しを放置しないようにしましょう。熟して地面に落ちた果物などもこまめに片付けます。また、他の昆虫もスズメバチの餌となるため、庭に害虫が大量発生している場合は、その対策も間接的な予防に繋がります。第五に、予防用トラップや忌避剤の活用です。春先に女王蜂を捕獲するための誘引トラップを設置したり、巣を作られたくない場所にスズメバチが嫌がる成分を含む忌避剤を散布したりするのも、補助的な対策として有効な場合があります。ただし、これらの効果は限定的な場合もあるため、過信は禁物です。これらの予防策を組み合わせ、継続的に行うことで、キイロスズメバチに巣を作られるリスクを大幅に減らすことが期待できます。